Q: 植物性代替肉・大豆ミートと培養肉との違いは?

Q: 植物性代替肉・大豆ミートと培養肉との違いは?

A: 大きな違いは「つくり方」と言えるでしょう

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穀物から作る「お肉」が植物性代替肉

大豆ミート​※1などに代表される植物性代替肉は穀物を原料に作られています。従来のお肉と科学的には全く異なるものです。

一方、「培養肉」は動物の細胞でできた食品です。例えば2023年6月にアメリカ政府から販売承認が下りたアップサイド・フーズ社の「培養肉」(鶏肉)は、99%が鶏の細胞でできています。

※1 大豆ミートとは大豆や大豆加工品をお肉のような食感や味わいに加工した代替肉の一種です。

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「培養肉」と従来の食肉との違い

動物の細胞でできているという意味では従来のお肉と似ていますが、細胞性食品はその作り方が従来のお肉と違います。従来のお肉は動物に栄養(穀物などの飼料)を与え、動物に筋肉や脂肪を付けていただいて最後に命をいただきます。

つまり従来のお肉の生産工程は、動物の体の中で、動物の細胞に間接的に栄養を与えて筋肉や脂肪の細胞を育てる工程と言えます。

細胞というのは、しっかりとした温度・衛生管理のもと栄養を与えると、体の中でなくても分裂し、数が増えていく性質があります。この性質を利用し、「培養肉」は、動物の体の外で、動物からとった細胞に直接的に栄養(穀物由来の糖やアミノ酸など)を与えて筋肉や脂肪の細胞を育てて生産されます。

作り方が違うことで、他にも「培養肉」の種類によっては従来のお肉と食感などが異なる場合があります。

例えば、増やした動物の細胞はそのままでは「ミンチ肉」に近いので、大豆ミートなどを「つなぎ」として混ぜて形を整え、筋肉の筋などの再現を試みているタイプの「培養肉」もあります。

また、将来的には従来のお肉の値段が上がってくると、従来のお肉と細胞性のお肉の「合い挽き」も出てくるかもしれません。消費者に伝わる表示のルールをしっかりと整備する必要がありますね。